受験コラム

受験コラム2021-04-30

中学受験の準備はいつから? 5年生では遅い? 早いと有利?

中学受験の準備は、いつから始めれば良いのでしょうか? 一般的に言われるのは、「3年生の2月~」です。
中学受験がはじめてのご家庭だと「5年生では遅い?」「もっと早く始めたほうが有利?」などと、迷うことも多いのではないでしょうか。
ベストなタイミングは、お子さまの状況や意欲によっても異なります。中学受験のはじめどきについてお伝えします。

 

多いのは「3年生の2月」スタート

一般的には「3年生の2月」がベストと言われています。なぜならなら多くの塾で、新4年生の授業が始まるタイミングだからです。
ポイントを見てみましょう。

(1)塾のカリキュラムに沿って対策できる

多くの塾では、3年間を基本にカリキュラムを組んでいます。ですから、このタイミングから通い始めることで、塾が掲げる理想のカリキュラムに沿って、入試の日に向けて学ぶことができます。
中学受験で出題される内容は多岐にわたり、学校によっては難解な問題が出題されます。3年間かけて受験勉強をすることで、必要な学習内容をすべて網羅することができ、志望校対策にも十分な時間を割けるのは魅力です。

(2)4年生は学習の習慣をつける時期

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3年間のカリキュラムとはいえ、最初からハードな勉強が始まるわけではありません。4年生の一年間は、いわば助走期間。ほとんどの塾では4年生を「塾のある生活に慣れ、家庭学習の習慣をつける時期」と位置付けています。
4年生は塾に通う回数も少なく、宿題も少なめ。学ぶことも基礎的な内容が中心です。この時期をうまく活用することで、通塾や塾での授業に慣れ、家庭学習をするペースがつかめるようになります。

(3)5年生のスランプに注意

3年間という期間は、お子さまにとって長丁場。気を付けたいのが、中学受験対策が本格化する5年生の時期です。
5年生になると、勉強の難易度は一気に上がります。通塾回数も多くなり、宿題も増えます。4年生のときは順調だったのに成績が伸び悩み、スランプに陥るお子さまも出てきます。
塾の先生は、たくさんの受験生を見てきたプロ。相談することで突破口が見つかるかもしれません。もちろん保護者の方のサポートも重要です。
モチベーションを保つ意味でも、学校の情報を見せて楽しい気持ちにしてあげたり、文化祭やオープンスクールなどに連れて行ってあげたりするのも良いでしょう。

 

5・6年生からの“短期決戦”派も!

「中学受験しようと決めるのが遅かった」「習い事を優先したかった」「入塾のタイミングを逃してしまった」といった理由で、5年生や6年生から中学受験を始めるケースもあります。
中学受験の準備を始める一般的なタイミングは、たしかに小学3年生の2月頃。でも、5年生や6年生から塾に通い出して、難関校に合格したお子さまもたくさんいます。

(1)条件が揃っていれば大丈夫

よく言われるのが「基礎学力がある」「家庭学習の習慣がついている」といった条件があれば、5年生以降のスタートでも間に合うということ。むしろ短期決戦が性に合うお子さまもいるでしょう。
ただし、3年カリキュラムで学んでいるお子さまと比べると、ハンディキャップがあるのは事実。その差を埋めるためには、効率良く、そして粘り強く勉強することは欠かせません。
そのためにも、保護者の方の手厚いサポートが欠かせません。何より、お子さま本人に中学受験をする固い意志があることも重要なポイントです。

(2)塾に相談してみる

短期決戦で受験に挑むなら、やはり受験のプロのサポートは重要です。受験を考えるなら、塾に相談してみると良いでしょう。
そもそも5年生からでも受け入れ可能なのか、その場合、どのようなカリキュラムになるのか、差を埋めるためにどういったサポートをしてくれるのかなどを聞き、頼れるパートナーを見つけることが重要です。

(3)個別指導塾・家庭教師も一つの手段

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6年生から中学受験に挑戦することは、決して不可能なことではありません。ただし実際には、受け入れが難しい塾が多いのが現実です。その場合は、1対1の個別指導塾や家庭教師などを、選択肢として検討すると良いでしょう。
お子さまのペースや性格、やる気に合わせて支えてくれる伴走者がいれば、きっと中学受験までの道のりを乗り切れるはずです。

 

  低学年から始めるなら「やる気」の見極めを

中には、低学年のうちから塾に通い、中学受験の準備を始めるご家庭もあります。ポイントになるのは本人の「やる気」です。受験にかかる費用についても、しっかりと計画を立てておきましょう。

(1)一番大切なのは、本人のやる気

早くにスタートを切ることで、先取り学習が可能です。ただし受験まであまりに長丁場になることで、途中で息切れする可能性も否定できません。周りの友だちが遊んでいる中で塾中心の生活が続くと、やる気を保つのが難しくなるかもしれません。
低学年から塾に通うなら、やはり大切なことはお子さま本人のやる気です。「〇〇中学に入りたい」「受験勉強をがんばりたい」という意思を持っていることが、長い受験勉強を乗り切る原動力となります。本当にお子さま本人が頑張れるのか、しっかり見極めてあげましょう。

(2)長く通えば通うほど費用もかさむ

低学年から塾に通うのは、多くの場合「早くスタートするほうが有利」という判断からでしょう。ただし当然ながら、早くから通うことで費用もかさみます。
中学受験をするには、多額の費用がかかります。学年が上がるほど月々の授業料も高くなり、講習や模擬試験の費用も増えていきます。
中学受験でかかる費用については、別記事「中学受験でかかる費用は?塾代・受験料などの目安」(次に作成する記事のリンクを貼る)で詳しく紹介しています。参考にしながら、資金計画を立てておくことをおすすめします。

(3)「勉強って楽しい!」を実感する期間に

低学年から準備を始めるなら、よく指摘されるのが「読み・書き・計算」を重視する勉強が有益だということ。良質な文章を読み、正しい書き順で文字を丁寧に書き、計算に慣れることが、後々の中学受験で生きてきます。
難しいことを勉強するよりも、基礎的なことを丁寧に学ぶことが、「勉強って楽しい!」と実感する道を開いてくれるはずです。

 

まとめ

中学受験の準備スタートは、一般的には「3年生の2月」です。でも、5年生以降に準備を始めて、志望校に合格することも不可能ではありません。もちろん低学年から始めることで、存分に力をつけるお子さまもいることでしょう。
つまり、一般的な開始時期はあるものの、お子さまそれぞれにベストなタイミングがあるということ。お子さまの性格を熟慮し、気持ちを見極めて、さらにご家庭の状況もふまえた上で、納得してスタートできるといいですね。

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