受験コラム

受験コラム2021-04-30

中学受験における「親」の役割とは?

「中学受験は親の受験」と言われます。お子さまが頑張ることに加え、親がどれだけサポートしたかが合否を分けるといっても過言ではありません。
というのも、受験勉強をするのはまだ9~12歳。塾選びはもちろんのこと、スケジュール管理やモチベーション維持など、さまざまな場面で保護者の方のサポートが不可欠です。
中学受験において、親の役割とは何でしょうか?親子にとって、中学受験がいい経験になるためのサポートについてまとめました。

どんなサポートが必要?

高校受験をするぐらいの年齢になると、本人の意思で勉強に取り組むことができます。でも中学受験はそうはいきません。スケジュール管理やモチベーション維持など、主な親の役割を5つ紹介します。

(1)スケジュール管理

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中学受験では「スケジュール管理」が重要です。

学年が上がれば通塾回数も増え、その分宿題も増えます。確認テストのための勉強も必要ですし、弱点補強のための時間も必要です。5年生にもなれば模擬試験も増え始め、ますます時間に追われることになります。
学力をつけるためには、限られた家庭学習の時間を効率よく使うことが大切。スケジュール管理のポイントを3つ紹介します。

ポイント1:“見える化”する

やるべきことを“見える化”しましょう。エクセルで表をつくったり、ホワイトボードを活用したり、大きめのカレンダーに書き込んだり、受験に特化した市販の手帳を活用したりと、いろいろな方法があります。
インターネットで「中学受験 スケジュール管理」と検索してみてください。たくさんの実例を見ることができます。受験情報誌でも、スケジュール管理の特集がよく組まれていますので、参考にすると良いでしょう。
あまり背伸びしすぎず、「これならできそう」「うちの子に合っていそう」と思うものを選ぶことが重要です。

ポイント2:予備の時間をつくっておく

予定はあくまで予定です。急な予定が入ったり、思うように勉強が進まなかったりすることもしばしば。予定を詰込みすぎたり、5分刻みのような細かいスケジュールを立てたりすると、すぐに予定がくるってしまいます。
遅れると取り戻すのも大変ですし、お子さまのやる気ダウンにもつながりかねません。予備の時間を確保しておき、柔軟に調整できるようにしておくのがおすすめです。
なお付箋にやるべきことを書いて貼っておけば、予定変更したいときも、さっと貼り変えるだけ。手軽でおすすめです。

ポイント3:達成感を得られる仕組みをつくる

「やり終えた!」と感じられる工夫があると理想です。たくさんの予定を一つ一つやり切ることが、お子さまにとって楽しいこと、やりがいを感じることに変わっていくことでしょう。
例えば、予定が終わったら「赤線で消す」「付箋を外す」「シールを貼る」など、さまざまな方法があります。お子さまがもっとも達成感を得られる方法を見つけられるといいですね。

 

(2)プリント類の整理

塾に通い始めると、膨大な量のプリント類を持って帰ります。授業で使ったプリントやテスト問題、解説プリント、単元のまとめプリントなど、その種類もさまざま。整理を怠ると、机の上に山のように積み上がってしまいます。
すると、机の上が散らかるだけではなく、勉強を始めようと思っても「解答のプリントがない!」「宿題のプリントが見当たらないので、宿題ができない」といった状況になり、勉強が進みません。貴重な時間を無駄にしてしまいます。
もちろん自分で整理できるお子さまもいるでしょう。でも「うちの子は整理が苦手」と思うなら、保護者の方が整理してあげましょう。勉強に集中できる環境が整い、お子さまは気持ちよく勉強に取り組めます。

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中学受験のプリント整理といえば、定番はファイルボックス。
教科ごとに分けて収納でき、便利です。塾から帰ったら、まずはプリント類を全部出し、すぐに分類する。これを習慣にすることが、整理ストレスを軽減し、長続きさせるコツです。

 

(3)モチベーション維持

中学受験は長丁場。公立中学に進む同級生たちが楽しそうに遊ぶ姿を見たり、夜遅くまでゲームする話を聞いたりすることもあるでしょう。そんな中で、受験本番までやる気を保ち続けるのは難しいものです。
モチベーションが上がらない理由はさまざまです。なぜなのかを見極めて、状況や性格に合わせて声をかけてあげましょう。主なケースを3つ紹介します。

ケース1:点数が悪い・成績が伸びない

点数が悪い、成績が思うように伸びない。こうしたとき、お子さまのモチベーションは下がってしまいます。「前より計算のスピードが上がって、しかもミスが減ったね」「先生から聞いたけど、最近すごく集中して授業を聞いているらしいね」と、“できるようになったこと”を具体的にほめることが、奮起するきっかけになります。

ケース2:本当はもっと遊びたい

友だちと遊びたい、もっとゲームがしたい。こういうときも、やる気が出ません。なぜ中学受験をするのか、志望校に入るとどんな経験ができるのかなど、目的や目標について、何度でも話し合うことが大切です。

ケース3:とにかく疲れている

まだ小学生のお子さまにとって、塾通いの日々はハードです。小学校で新学年に上がったときや新学期が始まったとき、暑い日や寒い日、運動会の練習をしたときなどは、特に体力を消耗します。
疲れが溜まっているなら、勉強を切り上げて休憩の時間にしたり、一緒に散歩したり、お子さまの好きなおやつを食べる時間にしたり、リフレッシュタイムを設けてあげましょう。

 

4)体調管理

健康管理も、親の大切な役割です。つい「どれだけ勉強するか?」に意識がいきがちではありませんか?
勉強に集中するためにも、睡眠時間を確保することは大切。何より“質の良い眠り”が重要です。ぜひこの機会に、寝室環境を見直してみてください。身体に合ったマットレスや枕を選んだり、特に受験直前は加湿器を使って湿度を保ったり、できることが色々あるはずです。
インフルエンザの予防接種を考えているなら、早めに予約することも大切。花粉症などのアレルギー対策や虫歯のチェックなども、親の役割です。
5年生や6年生になると、塾で弁当を食べる機会も増えます。休日だと、昼も夜も弁当という日もあるかもしれません。凝った料理である必要はありません。成長期のお子さまが必要とする栄養が摂れるよう、心がけてあげましょう。

 

(5)時事問題について話す

中学受験では、多くの学校で時事問題が出題されます。なぜなら時事問題を勉強することは、社会に関心を持ち、問題意識を持つことにつながるからです。
ただし多くの受験生が後回しにしがち。というのも、目の前の宿題やテストをこなすことに必死になって、時間を割く余裕がないから。入試直前になって、慌てて問題集に取り組む受験生も少なくありません。

そこで必要になるのが、親のサポートです。普段から社会で起こっている出来事について、親子で話す機会をつくることをおすすめします。ニュースを見ながら「SDGsとは?」「デフレになるとどうなる?」といった話をすれば、自然と言葉も覚え、理解も深まります。

 

まとめ

親の役割として大事なことは、“一番の応援者”として、お子さまの気持ちに寄り添うこと。「見てくれている!」「分かってくれている!」と感じたお子さまは、落ち込むことはあっても、きっとまた頑張れるはずです。

繰り返しになりますが、「中学受験は親の受験」でもあります。親子で一緒に悩んだり苦しんだり、時には親子ゲンカをしたりすることもあるでしょう。でもその分、合格したときの喜びはひとしお。最高の“サクラサク”になるといいですね。

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