進学お役立ち情報2022-10-26
医師・薬剤師を目指すための高校選び
コロナ禍に防護服姿の医師の活躍を見て、憧れを持った人は多いのでは。将来、医師や薬剤師になって、命を守る現場で働きたいなら、大学の中でも難関といわれる医学部や薬学部で学ぶ必要があります。医師・薬剤師を目指すための高校選びについて考えてみましょう。
6年制医薬系大学を卒業し国家試験に挑戦
安定した仕事に就きたいと、男女ともに人気の医師・薬剤師。その職場は、医療現場である病院だけでなく、治療や薬の研究・開発を行う大学・製薬会社、公衆衛生に携わる行政機関など多彩で、働き方もさまざまです。
では医師・薬剤師になるにはどうすればいいのでしょう。
医師になるには医師免許が必要です。免許取得には、大学の医学部で規定の6年課程を修了し、卒業後、医師国家試験に合格する必要があります。合格後は、卒後臨床研修(2年間)を受け、医師としての知識や技術を現場で学んでいきます。
一方、薬剤師も薬剤師免許が必要です。大学の薬学部で規定の6年課程を修了し、卒業後、薬剤師国家試験に合格する必要があります。
いずれも大学6年間にかかる費用が高額なため、学費の安い国公立大学を目指す人が多く、狭き門といわれています。
高校選び3つのPoint
大学の医学部・薬学部に現役合格するためには、大学受験のサポート力と入試情報を持つ高校に進学することが重要です。高校選びの3つのポイントを紹介しましょう。
医薬系大学の進学実績が豊富
まずは目標大学の進学実績を確認しましょう。医薬系大学の受験対策の基本は、理科3科目(物理・化学・生物)、数学、国語、英語、地歴公民など、すべての教科をバランスよく定着させ、苦手科目をなくすこと。特に医学部は、難関国立大学、地方の国公立大学、私立大学によって、大学入学共通テストと個別学力検査(2次試験)の配点比率や出題傾向が違うため、大学ごとの傾向を把握し、志望大学に応じた補習をするなど、個々の生徒に合ったきめ細かいサポートが必要です。豊富な進学実績は、受験ノウハウを持つ証。進学実績は、既卒生を除く、「現役性のみの合格者数」を確認しましょう。
同じ目標を持つ仲間がいる
医薬系大学の受験勉強はとてもハード。くじけそうになった時、同じ目標を持つ仲間がそばにいれば、良い刺激を与え合うことができるでしょう。例えば、医薬系大学進学に特化したコースがある高校なら、クラスに医師・薬剤師を目指す仲間が多く、共に切磋琢磨しながら学べる環境です。このようなコースでは、大学や医療現場の見学・実習、現役医師・薬剤師の講演などを実施する所もあり、前向きに学ぶ気持ちを支えてくれます。
大学との連携力がある
連携する大学があることも重要なポイント。特に薬学部受験では、系列大学の内部進学枠や指定校推薦枠を持つ高校が受験に有利です。それは内部進学の道があることで、精神的に余裕が生まれ、よりレベルの高い大学に挑戦できるから。また、高大連携9年一貫で薬剤師教育を行う高校もあり、将来の国家試験に向けて学べるのが魅力です。
3つのポイントに沿って、自分に合う高校を選ぶには、情報収集が重要。学校パンフレットやホームページのほか、オープンスクールで直接、先生に聞くのもいいでしょう。学校に行くことで、校風や先輩の様子を自分の目で確認できるので、進んで参加しましょう。
(企画・制作/産經アドス)
株式会社五ツ木書房 2022年度「進学への道」No.5より