将来、好きなことを仕事にできる大人になれるといいですね。そんな気持ちを後押ししてくれる「キャリア教育」が充実していて、目標に向かって自分らしく学べる高校が増えています。夢に近づくための高校選びについて考えてみましょう。

学習意欲があがるキャリア教育

　「キャリア教育」とは、自立して働く“未来の自分”をイメージし、夢や目標に向かって勉強するモチベーションを上げてくれる学習プログラムです。その学びは、実際の職場で職業体験をするインターンシップや、就職した先輩の話を聞く講演、資格取得のサポートやキャリアカウンセリングなど、多岐にわたります。

　「充実した計画に基づいてキャリア教育をしている学校ほど、学習意欲も向上する傾向にある」（表1参照）というデータからもわかるように、将来の目標が定まることで、学ぶ目的が明確になり、学習意欲が高まります。このため最近は、さまざまなキャリア系コースを設ける高校があります。

将来の目標が定まるキャリア系コースに注目

　高校のキャリア系コースには、「看護師」「薬剤師」「保育士」など、一つの職業に目標を絞って学べるコースがあり、まさにその職業をイメージしながら高校生活を送れます。例えばインターンシップでは、ナース服や白衣を着用する、保育園児と接するなど、それぞれの職業を疑似体験できるので、その仕事に就きたい気持ちが高まります。

　さらに、大学の推薦枠が豊富にあるなど、進学には有利な一面もあり、中には高校・大学一貫教育のプログラムを用意して、薬剤師や教員などの国家資格を取得するまでサポートしてくれる学校もあります。

　このようなキャリア系コースは、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨し合いながら成長できる環境があるのも魅力の一つです。大学受験や資格取得の勉強も、お互いに支えあって頑張れそうですね。

夢に向かって学べる自分に合った高校選びを

　一方「やりたいことがまだ見つからない人」には、グローバル教育に力を入れる「国際系」や、思考力・判断力・表現力を身につける「探究系」など、社会に出たときに役立つ能力を手に入れられるコースもあります。海外研修や外部講師を招いた講演などで、さまざまな職業を知ることができるので、将来の目標を見つけやすいのが魅力です。多彩なテーマの中から興味のある体験学習を選び、深く学べる学校もあります。

　キャリア系コースの学習プログラムは、各校が独自に設定しているため、学校により大きく異なります。連携する大学やインターンシップなどの具体的な内容は、オープンスクールに参加して、各校の先生に直接聞いてみてください。積極的に情報収集し、自分にぴったりの学校を見つけましょう。

株式会社五ツ木書房　2021年度「進学への道」No.6より