進学お役立ち情報2019-07-16
英語力と国際感覚を身につけるための高校選び
英語力と国際感覚を身につけるための高校選び
社会や企業でグローバル化が進み「将来は世界を舞台に活躍したい!」と考える人が少なくありません。高校生のうちに高い英語力を身につけられたら、大学受験や就職の際も選択肢が増えますね。英語の資格取得や留学をサポートしてくれ、国際感覚も磨ける高校選びについて注目してみましょう。
英語教育に特化した 国際科・コースに注目
訪日観光客が増え、街のあちこちで世界各国の外国人を見かけるようになった近年。日本から海外へ、海外から日本へと国境を越えて働く人も増え、会社の中では英語が飛び交うような企業も増えています。 社会でグローバル化が進む中、文部科学省では2020年から大学入試センター試験に代わる「大学入学共通テスト」の導入を予定。英語に限らず従来のインプット型の学力から、よりアウトプット型の学力へと、求められている知識や学力が変わりつつあります。 中でも英語は、従来のセンター試験で「読む」「聞く」の2技能の評価にとどまっていたのに対し、新しい「大学入学共通テスト」では、民間の英語資格・検定試験を活用することで「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を総合的に評価する仕組みに。高校3年生の4月〜12月の間に、対象の資格・検定試験(TOEIC(R)L&RおよびS&W/TOEFLiBT/実用英語技能検定など)を2回まで受験でき、その成績をもとに国際標準と照らし合わせ、段階別評価で英語力を測ります。 今後は大学受験でも、就職でも、使える英語力を身につけていることが重要視されます。このため高等学校でも、英語教育に特化した国際科を設置したり、普通科に国際コースを用意するなど、さまざまな取り組みが始まっています。
英語関連の資格取得や 大学受験をサポート
英語の授業数が多く設定されているなど、英語教育がを手厚くしている国際科や普通科・国際コース。英語以外の教科も英語で授業を行ったり、少人数制のアクティブ・ラーニング(参加型授業)で会話力を磨く機会を増やすなど、語学をマスターするための環境が用意されています。中には、担任の先生がネイティブ教員という学校も。また生徒全員がタブレット端末を持ち、ICT(情報通信技術)を活用した自主学習を行うなど、先進的な学びを用意する学校もあります。このほか、将来の留学に備え、日本文化を学ぶ場が設けられているなど、国際的に活躍するための学びが充実しています。 さらに帰国子女や外国籍の生徒が中心の“インターナショナルハイスクール”でも、海外生活を経験したことのない日本人生徒を受け入れているところが。このような教育機関では、授業がすべて英語で実施される学校もあったり、外国人の同級生が多く英語によるコミュニケーションの機会が多かったりと、英語漬けの学生生活を過ごすことができます。 いずれの学校でも英検やTOEICなど、英語関連の資格取得のサポートに加え、それらを武器にした大学受験のサポートにも重点を置いています。
※インターナショナルハイスクールの中には、日本の高等学校卒業資格を得られないところもあります。
高校生のうちに海外へ 充実の留学プログラムも
このように英語に特化した学校では、生徒全員または希望者を対象にした留学プログラムを用意している学校が多数あります。留学期間は、目的や留学先に応じ、短期(数週間〜数カ月)から長期(1年以上)とさまざま。 高校生が個人で海外留学するには、準備や現地手配、その期間の休学や費用の問題など、面倒なことが多いのですが、学校で用意される留学プログラムなら、そのような心配は必要ありません。1年以上の長期留学をしても、その期間中に海外で学んだことを単位に反映させ、3年間で卒業できたり、留学期間中の日本の高校の授業料を(一部または全額)免除してもらえたりと優遇措置が用意されています。また現地でのサポートもしっかりしているので、高校生のうちに留学したいと思っているなら、利用しない手はありません。
世界で活躍するために 自分に合った高校選びを
国際科や国際コースを設置する学校は多数ありますが、学校により、海外留学の有無や留学先の国、期間、サポート体制の違いはもちろん、学内での英語を使った授業など、この記事で紹介した学び以外にも、多彩な内容が学校により用意されています。海外留学やアクティブラーニングなど、ハードルが高く感じるかもしれませんが、高校生のうちから世界とつながることができる経験は、大学受験だけでなく、その後の人生においても大きな糧になります。まずは気軽にオープンキャンパスなどに参加して情報収集し、自分に合った学び方ができる学校を探してみましょう。
高校留学を経験した 先輩からひとこと
<M・Yさん(28歳) 私立高校 普通科国際コース卒業 高校留学を経験した 先輩からひとこと >
国際コースを受験した時は将来英語を話せるようになれたらいいな、くらいの考えでした。高校2年生の時に行ったコース全員が行く短期留学の際は、おとなしい性格だったこともあり、何も喋れず何もできず焦りを感じ、勉強しなくちゃと改めて思う、いいきっかけになりました。帰国するとみんな同じ事を感じたのか、コース全体の雰囲気が変わったのを覚えています。 その後、大学でも1年間留学をし、今は貿易事務の仕事をしています。基本的にはメールなどでのビジネス英語の読み書きが中心ですが、それを仕事にできるようになったのも、高校時代の留学があったからこそだと思います。短期では英語をマスターはできませんが、自分に何が足りないか、海外との文化の違いなどが鮮明に見えてきます。また、同じような志を持った友達が多く、みんなで切磋琢磨したことが、英語の勉強を頑張れた理由だと思います。
留学ミニ情報
“世界で活躍できる人材の育成を”と、文部科学省が民間企業と協働で2013年からスタートした、留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」。東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される2020年までに、大学生・高校生の留学を倍増させることを目指しています。その主な取り組みが「官民協働海外留学支援制度〜トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム〜」。事前審査で選抜された学生には、返金不要の海外留学奨学金が用意され、多くの学生に留学のチャンスが与えられています。高校生コースは2015年から実施。留学内容・渡航先・期間を自由に設計できる上、事前・事後研修の際には、全国から集う同世代の仲間と交流できるのも魅力です。応募者は年々増加し、2019年度は前年比の約1.5倍に。応募は進学後、高校の先生に相談を。
※詳細は「トビタテ!留学JAPAN(高校コース)」のHP(http://www.tobitate.mext.go.jp/hs/index.html) ※文部科学省 官民協働海外留学 創出プロジェクトチーム提供
株式会社五ツ木書房 2019年度「進学への道」No.3より